「歯列矯正=子どものもの」というイメージを抱えている人は多いのではないでしょうか。「大人になってから歯列矯正を始めることってできるのかな?」「大人の歯列矯正には何かデメリットはあるのかな?」など、さまざまな不安や疑問があるかもしれません。
今回は、大人になってからの歯列矯正を考えている方に向け、大人の歯列矯正のメリット・デメリット、矯正装置の種類などについて詳しく解説していきます。
大人になってからでも歯列矯正は可能!大人の歯列矯正のメリット
「大人の歯は動きにくいから治療期間が長くなる」という話を耳にして「もう矯正を始めるには遅いかも…」と諦めてしまっている人はいませんか?
年齢が若いと、特に成長期のお子さまはまだ骨が柔らかいため、歯が動きやすいのは事実です。
しかし、大人が歯列矯正をした場合でも、治療期間が子どもに比べて極端に長くなることはほとんどありません。
歯列矯正は、歯・歯茎・顎骨の状態が整っていれば、年齢に関係なく始めることができます。
大人だから手遅れということは決してありません。
むしろ大人の歯列矯正には、次のようなメリットがたくさんあります。
・むし歯や歯周病のリスクを減らせる
・見た目の自信につながる
・好きなタイミングで治療を始められる
・咀嚼機能の改善につながる
1つずつくわしく解説していきます。
メリット①むし歯や歯周病のリスクを減らせる
歯同士の重なりや凹凸が多い歯並びは、食べカスが詰まりやすくなったり、歯ブラシが届きにくくなったりすることから、口内が不衛生な状態となりやすいです。
食べカスや磨き残しが増えると、それをエサに細菌が繁殖し、むし歯や歯周病のリスクを高めるのです。
歯列矯正によって歯並びがきれいに整うと、歯みがきがしやすくなるといった効果から衛生状態が良くなり、むし歯や歯周病などのトラブルを防げる可能性が高まります。
メリット②見た目の自信につながる
歯列矯正は、機能面の向上はもちろんのこと、見た目の変化にも大きな影響を与えるでしょう。
口元にコンプレックスを抱える方は、笑うときについ口を手で隠してしまったり、人前で話すときに目線が気になったりすることが多いかもしれません。
歯列矯正で歯並びが整うと、コンプレックスが解消されるだけでなく、積極的に人と関われるようになり、笑顔が増えて心の変化にもつながります。
メリット③好きなタイミングで治療を始められる
大人の歯列矯正には、好きなタイミングで治療を始められるというメリットもあります。
子どもの歯列矯正は、顎骨の発育時期を利用して矯正治療を行うため、治療できるタイミングが限られています。
また、成長を完全に予測することは難しいため、治療が長引くケースもあります。
その点、顎骨の成長が完了している大人の場合は、時期を気にせずに「矯正治療をやりたい」と思ったタイミングで始めることが可能です。
不確定要素が少ないことから、治療計画を立てやすいというメリットもあるでしょう。
メリット④咀嚼機能の改善につながる
歯列矯正で歯並びやかみ合わせが整えば、かむ力が向上する可能性も高まります。
食べ物を細かくかみ砕いてから飲み込むことができれば、消化器官の負担を減らせるだけでなく、満腹中枢が刺激されるので食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。
大人の歯列矯正のデメリットとは
たくさんのメリットがある大人の歯列矯正ですが、もちろんデメリットも存在します。
事前にしっかりとデメリットも確認しておきましょう。
・一時的にむし歯や歯周病のリスクが高まる
・矯正装置が目立つことがある
・痛みや違和感をおぼえることがある
・口内の状態によってはすぐに治療できないことがある
それぞれ解説します。
デメリット①一時的にむし歯や歯周病のリスクが高まる
矯正中は矯正装置を付けて過ごすため、口内が乾燥しやすくなったり、歯みがきが困難になったりすることが予想されます。
そのため、一時的にむし歯や歯周病のリスクが上がってしまうのです。
矯正中にむし歯や歯周病になると、症状によっては矯正治療を中断し、むし歯や歯周病の治療を優先させなければいけないことがあります。
矯正期間中は特に丁寧に歯みがきをするように意識し、定期的に歯科医師のクリーニングを受けることもトラブルの予防になるでしょう。
デメリット②矯正装置が目立つことがある
使用する矯正装置の種類によっては「矯正中の見た目が目立つ」というデメリットが挙げられます。
しかし、透明なマウスピースを使って歯を動かす「マウスピース矯正」や「ワイヤー裏側矯正」などの目立ちにくい矯正方法もあります。
目立ちにくいタイプの矯正装置を選べば、仕事の都合により人前で話す機会が多い方や、矯正中の見た目が変化するのが嫌な方でも、歯列矯正に挑戦しやすくなるでしょう。
デメリット③痛みや違和感をおぼえることがある
矯正中は歯に痛みを感じたり、装置が入っていることによる違和感を覚えたりする方もいます。
特に矯正治療を開始した直後や、ワイヤーを調整した直後、マウスピースの交換後などは、痛みを感じやすいと言われています。
しかし、このような痛みは2〜5日程度で落ち着くケースが多いです。
あまりにも痛みが強い場合や、矯正装置が口内に当たって痛みが生じているケースなどは、歯科医師に相談すると良いでしょう。
デメリット④口内の状態によってはすぐに治療できないことがある
次のようなケースでは、すぐに歯列矯正をせず、口内の状態を改善させてから矯正治療を開始させることがあります。
・むし歯が多い
・歯周病になっている
・抜歯が必要である
むし歯や歯周病は、放っておくと急速に症状が進行するため、矯正治療よりも先に治療を行います。
歯周病とは、歯や歯を支える骨に炎症が起こる病気です。
歯列矯正によって歯茎に負担がかかると、炎症が広がって痛みが出たり、最悪の場合は歯が抜けたりする恐れがあります。
また、口内に歯を並べるスペースが不足している場合は、抜歯を行ってから矯正治療を始めることもあります。
大人の歯列矯正をお考えの方は、むし歯や歯周病がないか検査し、先に治療を終えておくとスムーズに矯正治療へと移れるでしょう。
大人の歯列矯正の種類と特徴
大人から始める歯列矯正の方法は1つではありません。
装置の特徴や費用などはそれぞれ異なるため、ご自身の症状やライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
ただし、矯正方法や装置によって得意な症状や対応できる症例が限られているため、必ずしも希望通りになるわけではありません。
どのような方法で矯正するかは、歯科医師の診断の上、相談しながら決めていく必要があります。
部分矯正か全顎(全体)矯正か
まず矯正治療には、装置の種類を問わず、治療する範囲によって「部分矯正」と「全顎(全体)矯正」の2種類があります。
部分矯正は主に、目立ちやすい前歯などの一部部分を治療範囲としています。
一方で、全顎矯正は奥歯を含むすべての歯列が対象で、かみ合わせに問題があるケースなどにも対応できます。
部分矯正は治療する範囲が狭いため、全顎矯正に比べて治療期間や費用を抑えられる可能性が高いでしょう。
ただし歯並びの乱れが重度の場合や、噛み合わせの改善が必要なケースでは、適応できないことがあります。
その点、全顎矯正はすべての歯にアプローチするため、部分矯正に比べて治療期間は長く、費用も高額です。
しかし、重度の出っ歯やkつきがある歯並びでも、対応できるというメリットがあります。
ワイヤー表側矯正
ワイヤー表側矯正は、歯列矯正の中でも歴史のある方法で、ブラケットとワイヤーを歯の表面に取り付けることで歯を動かします。
ワイヤーの力を利用してさまざまな症状に対応できることが特徴です。
矯正装置は固定式のため、一度矯正治療を始めると自分で取り外すことはできず、治療完了までは基本的に付けっぱなしです。
装置の調整などはすべて歯科医院で行うので、1〜2カ月に1回程度の通院が必要となります。
ワイヤー表側矯正は、装置を歯の表側に接着するため「装置が目立ちやすい」点がデメリットとなるでしょう。
◆ワイヤー表側矯正がおすすめの人 ・矯正中の見た目を気にしない人 ・装置の自己管理をしたくない人 ・歯並びの乱れが重度な人 |
ワイヤー裏側矯正
ワイヤー裏側矯正の歯を動かす原理は、ワイヤー表側矯正と同じです。
大きな違いは装置をつける場所が「歯の裏側」という点でしょう。
ワイヤー裏側矯正では、前から見たときに矯正装置が見えることはほとんどありません。
見た目が良いというメリットがある一方で、裏側に装置があることで目視しながら歯磨きをすることが難しく、舌に装置が触れやすいというデメリットが挙げられます。
また、歯の裏側は表側に比べてくぼみが多く、複雑な形をしていることから、一つ一つのブラケットをオーダーメイドで作ります。
取り付けや調整に高度な技術を要するため、費用は表側矯正と比較して高額となります。
◆ワイヤー裏側矯正がおすすめの人 ・とにかく目立ちにくい方法で矯正治療をしたい人 ・装置の自己管理をしたくない人 |
マウスピース矯正
マウスピース矯正とは、形の異なる複数のマウスピースを順番に交換していくことにより、歯を動かす矯正方法です。
ワイヤー矯正と大きく違う点は、装置の着脱が可能な点です。
決められたタイミングに患者さま自身でマウスピースを交換していただくため、ワイヤー矯正に比べて通院回数が少なく済むケースが多い傾向にあります。
食事と歯みがきに関しても、マウスピースを外して行えるので、矯正前と変わらずに食事が楽しめ、ブラッシングがしやすいというメリットもあります。
マウスピース矯正は、透明で目立ちにくい状態で矯正治療を進められるので、大人の方にもおすすめです。
ただし、決められた時間を守ってマウスピースを装着しないと、計画通りに歯が動かないというリスクもありますので、マウスピースをきちんと自己管理できる人に向いているでしょう。
またマウスピース矯正ブランドによっては、部分矯正のみに対応していたり、軽度な症例を得意としていたりする場合もあるため、症状によってはワイヤー矯正を勧められる場合があります。
◆マウスピース矯正がおすすめの人 ・少ない通院回数で矯正治療をしたい人 ・目立ちにくい方法で矯正治療をしたい人 ・マウスピースの自己管理ができる人(装着時間や交換時期の管理ができる人) ・矯正装置を外して食事や歯みがきをしたい人 |
マウスピース矯正ブランドのZenyum(ゼニュム)なら、324,500円(税込)〜660,000円(税込)でマウスピース矯正が可能です。
一般的な通院回数は2〜4回程度と、従来の矯正方法と比べて少ないため「歯列矯正をしたいけど、仕事帰りに歯科医院に行く余裕なんてない」「通院できるか不安」という大人の方にこそ、ぜひおすすめしたい矯正方法です。
ゼニュムでは、部分矯正と全顎矯正のどちらにも対応しており、症状に合わせて3つのプランをご用意しています。
「私の歯並びはマウスピース矯正でもきれいになる?」「どのプランが合っているのか知りたい」という方は、無料オンライン診断を行なっていますので、ぜひご利用ください。
大人の歯列矯正でよくある質問
最後に、大人の歯列矯正に関して多くの方が抱いている疑問に回答していきます。
抜歯は必ずするの?
抜歯をするかどうかは症状によって異なります。
例えば、歯並びが乱れている場合、口内のスペースが不足していることが原因であれば、抜歯をすることで歯をきれいに並べられる可能性が高まります。
健康な歯を抜くことに抵抗があるという方は、IPRと呼ばれる歯の側面を削ってスペースを作り出す処置ができる場合もあります。
いずれにしても、詳しく診察や検査をしてからでないと判断が難しいため、一度歯科医院に相談しましょう。
治療後に歯並びが元に戻ったという口コミを見たけど本当?
矯正治療後、歯並びが元に戻る可能性はありますが、最小限に抑える方法もあります。
治療できれいにした歯並びが元に戻ることを「後戻り」と言います。
後戻りとは、矯正装置で動かした歯が元の位置に戻ってしまう現象で、すべての矯正方法で起こる可能性のあるものです。
特に、矯正直後は歯の周りの組織が不安定な状態のため、後戻りが起こりやすいと言われています。
そこで、歯並びが乱れるのを防ぐために、矯正終了後には「保定装置(リテーナー)」を使って歯を固定します。
しかし、保定装置の装着を怠ったり、装着時間が不足したりすると、後戻りが起こりやすくなります。歯並びが元に戻ったと感じる原因にもなるでしょう。
決められた期間中は1日の装着時間を守り、しっかりと保定装置を使用すれば、後戻りを最小限に抑えられます。
他にも歯を舌で押す癖や、爪や唇を噛む癖がある方は、歯並びが乱れる原因となります。
歯列矯正を始める前には、癖を治しておくことがおすすめです。
むし歯があっても歯列矯正できる?
矯正治療を始める前にむし歯が見つかった場合は、基本的にむし歯治療を優先させます。
むし歯は放っておくと症状が進行するためです。
むし歯治療後に問題がなければ、ほとんどのケースで矯正治療に移れます。
何度も通院できるか不安だけど、矯正は諦めるべき?
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正のように歯医医院でワイヤーを調整する必要がないため、通院頻度は2〜3カ月に1回程度と少ないのが特徴です。
また、ゼニュムのように一般的な通院回数が2〜4回程度と、マウスピース矯正ブランドによっては通院の回数が少なく済むケースもあります。
このように矯正方法によっては、通院に不安がある場合でも、少ない負担で歯並びを整えられる可能性があるでしょう。
歯列矯正は大人になってからでも始められる
歯列矯正は、大人になってからでも始められます。むしろ、大人になって始めるからこそ、得られるメリットもたくさんあるのです。
とはいえ「仕事が忙しいけど通院できるか不安」「矯正中だということを周りに知られたくない」など、大人だからこそ出てくる悩みがあるのも事実です。
しかし矯正方法によっては、通院の負担が少ないものや、目立ちにくい矯正装置もあります。
ぜひ、ご自身のライフスタイルや性格に合うものを見つけてみてはいかがでしょうか。
目立ちにくいマウスピース矯正のゼニュムでは、自宅にいながら診断を受けられる「無料オンライン診断」を実施しております。
実際の歯のお写真を提出いただくことで、マウスピース矯正が適合するのか、どのプランが最適であるのかなど、一人一人に合った情報をご案内いたします。
気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。